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2022/01/11 15:26

世界で最も高価なコーヒーの1つとされるゲイシャというコーヒー豆の歴史について。

『2014年スターバックスで1杯2000円のコーヒーが出るってよ』と話題になったの覚えてませんか?

コーヒー好きの人であればゲイシャという名前を一度は耳にしたことがあるかも知れませんね

まず最初にお伝えするのが
日本の芸者と一切関係はございませんということ。

コーヒーの品種の名前なんですね。
『ゲイシャ』という品種名です。
お米だったらコシヒカリとかササニシキ、あきたこまちといった具合ですね。

『ゲイシャ』は一般的な品種に比べて収穫量も半分程度しかないので希少性がまず高いのです。

パナマから広がったために栽培地は南北アメリカ大陸が多いのですがアフリカやアジアにも広がっています。

なかでも、特にパナマ産は香りの量が多いことで高級品として扱われています。

価格は高値で取引されいて、パナマのコーヒー品評会でのオークションでは年々最高価格を更新しています。

ゲイシャはエチオピアで1931年に発見されたものなので比較的新しい品種なんですね。

1953年にコスタリカの農学研究所に持ち込まれます。

しかし環境が合わず長らく見捨てられた状態が続いておりました。

そしてお隣の国、パナマに渡ってきたゲイシャが2000年代に入りそこでまさしく花開きます。

2004年に行われた品評会ベスト·オブパナマにて当時の最高落札額の世界記録を更新して優勝!し一躍脚光を浴びるようになったのです。

一体この間に何が起こったのか。




まずは1931年のエチオピアでゲイシャが発見された当時のお話。

この頃コーヒーの世界はさび病の驚異にさらされていました。

『さび病』というのはコーヒーがかかる病気の1つです。

コーヒーの葉が菌に侵され赤錆のような色になり徐々に枯れていくというもので風に乗った菌の胞子が木から木へ空気感染していく恐ろしい病気です。

かつてはインドネシアで猛威を奮ったことがありセイロン島のコーヒーが全滅したのです。

セイロン島は現在はお茶の産地で有名ですがこの時コーヒーが全滅したので替わりにお茶を植えるようになったのがきっかけなんですね。

そして、このサビ病に強い品種は無いだろうかということでコーヒーの原種のふるさとエチオピアへ研究者が赴き、
探索した結果、さび病の耐性のあるコーヒーをいくつか見つけたんです。

その1つがゲシャという村で発見された品種、ゲイシャだったんですね。

実は最初は味や香りではなく病気対策用の品種として注目されていたというわけです。

1953年コスタリカのコーヒーの研究所へとゲイシャは運ばれます。

そして1960年にパナマへと渡ってくるのですが
この鳴り物入りの期待のルーキーのゲイシャがとてもデリケートだったんです。

蓋をあけてみると、中南米のさび病に対してあまり耐性を持っていなかった、
特定のさび病にしか効果がなかったのです。

そしてゲイシャは樹高が4メートルもあり収穫しづらく、
標高も高くないとゲイシャはうまく育たない。

大量生産には不向きで生産者からは敬遠されていきます。

そして次第に忘れられていく存在となります。

ゲイシャの木を見つけたらとりあえず引き抜いとけっ!みたいな感じになったんですね。

しかしある農園主の息子が捨てられていたそのコーヒーの木から豆を取り出してみたのです。

そのコーヒーを焙煎して飲んでみたところ
なんじゃこりゃ~となった。

ゲイシャの運命はここで大きく動き出すのです。

その農園の名が世にも名高い、エスメラルダ農園です。





そして2004年にゲイシャが世界を揺るがします。

それが世にも名高いゲイシャショック!

2004年パナマのコーヒー品評会ベスト·オブパナマにおいて
エスメラルダ農園のゲイシャが初めて出品されたのですが、
審査員たちはあの捨てられていたやつでしょ!?と最初は半信半疑でした。

しかしゲイシャを口に含んだ瞬間、今まで出会ったことがない複雑で個性的なフレーバーに審査員一同、感嘆しました。


品評会の結果はもちろんぶっちぎりの優勝です。

品評会後のオークションでは当時の史上最高額1ポンド20ドルという落札額での取引となりました

数年前までは見向きもされなかったコーヒーが名実ともに世界最高の称号を手に入れたのです。

そこから破竹の勢いでベスト·オブパナマをなんと4連覇を果たします!

2008年にはエスメラルダ農園は殿堂入りを果たし、別枠で単独のオークション開催することになります。

そこからゲイシャは年々最高落札額を更新していき
2021年ベスト·オブパナマに輝いた豆はなんと
1ポンドあたり2568ドルという高値で取引されました。

以上、ゲイシャの歴史でした。



当店で取り扱っているパナマ エスメラルダ ゲイシャはオークションのロットではありませんが、エスメラルダのゲイシャらしいレモンやライチ、ピーチなど上品でエレガントなフレーバーが心地よく、フレーバーの持続感や甘さの余韻などアフターテイストの印象がとても良いロットです。

TOPレベルに相応しい、素晴らしいロットに仕上がっておりますので、是非お楽しみください。